
へいへい、おいら益子に行ってきたぜ!
と書こうと思ったら、あきおが詳しく書いてるようなので、私は別のことを。
連休の真っ直中、ヘルニアの痛みと痺れの嵐の中、唐組のテント芝居『百人町』に行ってきました。
場所は、唐十郎といえば花園、花園といえば、の花園神社境内。
開演は夜の7時なんですが、1時から整理券が配られたんです。
整理券なんて、懐かしいなぁ。
昔よく行った小劇場はこんな感じだったよね。
なんて懐かしがってる場合じゃなく。
この年齢になると、その6時間がホントにツラかった。
ご近所だったら一旦家に帰ってなんてできますが、うちの場合は田舎ですから。
仕方なくデパート冷やかしたり、お茶したりして時間を潰して。
とはいえ、連休中の日曜日。
どのお店も大混雑で入れなくて、コーヒー飲めるとこ探してさまよい歩きました。
歩き回ってると辛いんですよ、ヘルニア。
だんだん痛みと痺れが酷くなってきて。
最後、やっと喫茶店に席を見つけたときは泣きそうでした。
時間までそこで粘り、花園神社へ。
境内でもしばらく待たされまして。
役者さんのひとりが顔を白く塗って、お客さん達の間を歩き回りながら、
「もうしばらくお待ちください!」「整理番号順にならんでいただきます!」
なんて叫んでいるのを羨ましく見つめて。
ああ、私も顔を白く塗って、人混みに紛れたい!!
開演間近にやっと2列に並んで入場。
この時すでにヘロヘロ。
それでも『なんでも一番前じゃないと嫌!』なクセが出まして、あまり考えずに一番前に突進、端っこの方でしたが、かぶりつきをゲットしました。
普通の舞台とは違って、手をのばせば(のばさなくても)もうそこが舞台ですから。
目の前というより、頭上で役者さん達が演技することになるわけで。
ふと我に返ってそのことに気づいた時にはもう遅し。
見上げる格好が、頸椎に一番負担かけるんです。
痛いのなんの。
おまけに夜はけっこう冷え込みまして。
テントなので地面から冷えがのぼってきたり、すきま風も入ってきて、寒い。
ついでに言うと(まだ公演中なので詳しくは書きませんが)水やラー油が飛びまくるお芝居で、それをビニールで必死によけまくっての観劇だったわけです。
役者さんの唾や汗はいいけど(実際バシャバシャかかりました)ラー油は止めて・・・。
私には過酷な芝居でした。
でもその過酷ささえも懐かしかったです。
昔はぎゅうぎゅう詰めの小屋で、息苦しくなりながら、足を痺れさせながら、芝居を観たものですよね。
それでも観たかったんですよね。
楽して芝居を観ようとするな!
で、芝居そのものはどうだったかというと。
うーん。
私には、なんていうか残念でした。
それなりには面白かったけど、一番大きな波を感じられなかった。
以前の唐さんの芝居って、もっとこうグッと来たじゃないすか。
ぐっときて、バーーンとはじけて、どうだ!!みたいな力尽くの気持ちよさがあったじゃないすか。
唐さんの目が異様に光って、その格好良さに心臓わしづかみにされて、いよっ、待ってました!!みたいな。
この一瞬のために私は生まれて来たんだ!みたいな。
そういうのがね。
んんん。
ああ、でも懐かしかったです。
役者さんの唾の臭いとか。
首は限界を超えて、ほぼ死にながら帰宅しましたが、それでも観てよかった、と。
私にとって一番素敵だったのは、あの黄昏時の神社の人混みに紛れていた、あの白塗りの男の子。
あれが今回の芝居の一番のクライマックスだったのかも。